ミドリコラム

土壌・肥料講座 ~リン酸について~

1.リン酸の種類

リン酸肥料の種類は水溶性、溶性、可溶性があります。水溶性は水に溶けるリン酸であり、芝への吸収は早いのですが、土壌から流亡しやすい性質があります。一方、溶性、可溶性は根から分泌される酸や土壌に存在する酸で溶かされて吸収されるリン酸です。水溶性に比べて緩効性で流亡は少ない性質があります。
リン酸の種類は肥料袋の保証票に表示してあります。リン酸の成分量だけでなく、リン酸の種類も知った上で、肥料を使用したほうが、合理的な施肥ができると思います。

2.リン酸の施肥量

芝の体内に含まれるNPK割合は一般的に5:1:3です。したがって施肥する肥料のNPKバランスも5:1:3が適していると思われています。しかし、各成分の利用率(施肥した成分が芝に吸収される割合)が成分によって異なるために、NPKの施肥バランスは別の考え方が必要になります。
チッソとカリの利用率は約50%程度です。つまり、チッソやカリを2g/m2施用しても芝には1g/m2程度しか吸収されません。
一方リン酸は利用率が10~20%で利用率が最も低い成分です。
たとえばm2当たり、N 1g、PO. 2g、K 0.6gを芝に吸収させたい場合は、m2当たりの施肥量がN 2g、P 1~2g、K 1.2g必要となります。
肥料の利用率は肥料の種類や土壌の条件(pH、保肥力、排水性)に大きく影響されます。
そのために、数年に1回は土壌分析を行って、その土壌の性質を知っておくことが大切です。

3.リン酸の施用時期

リン酸は施用してもチッソのように芝への反応が分かりにくいために軽視されがちです。しかし、気温が低い時やストレスを受ける時には重要な成分です。リン酸の吸収が少なくなると生育が悪くなり、芝密度、発根などにも大きく影響する成分です。
ベントグラスでは芝が生長を始める春・秋や、日照が少ない梅雨期が特に重要が施肥時期です。
コウライや野芝では、発芽直前の施肥が良いでしょう。
他の時期もリン酸無施用より、肥料にリン酸が入っているほうがチッソの吸収は良くなるので、リン酸成分を少なくてもチッソ成分の50%以上を含む肥料が良いでしょう。

土壌・肥料講座 ~カリについて~

1.カリの施用効果

  • 乾燥に強くなる。水分の吸収、体内の移動を助ける。
  • スリ切れ抵抗性が向上する。植物繊維の合成を促進する。
  • 根群の発達が良くなる。葉から根への糖などの転流を促進する。
    以上の効果を見ると芝には重要な成分であることが分かります。

2.カリは脇役?

12月から3月は年間の施肥計画を立てる時期です。多くのキーパーは、まず年間のチッソ施肥量を決めてからカリの量を決定すると思います。
また、カリは使用している肥料から自然に施肥される量のままで、意識して施肥を決めていないコースも多いと思います。
特に液肥は一般的にカリの成分量がチッソと比べて低いために、液肥を主体に施肥をしているコースはカリの施肥量が少なくならないように注意して計画を立てる必要があります。
年間のカリ施肥量は最低チッソと同量は施用した方が良いでしょう。

3.カリの施肥方法

どのような時期でもチッソを施用する時にカリも施用する必要がありますが、特に施用したいのが7~8月の高温時です。また土壌や芝が乾燥しやすい秋もカリを多く施用したい時期です。
夏はチッソの1.5~2倍程度のカリが必要です。

4.多木のカリ肥料

粒状・・・マイクロカスタム
(0-15-15-苦土5)
液肥・・・カリショット
(1-4-18 クエン酸22%)